ナノ構造物を作製する電気化学的方法
专利摘要:
ナノ構造物、たとえば酸化チタン(TiO2)ナノ構造物を作製するための電気化学的方法が記載されている。そのナノ構造物のモルホロジーは、反応パラメーターたとえば、溶液組成、印加電圧、および時間を調節することによって調整することができる。それらの方法は、環境条件下、たとえば室温および大気圧下で使用することが可能であり、適度な電位を使用する。それらの方法は、高いレベルの調節性および再現性をもって、規模を拡大または縮小することが可能である。 公开号:JP2011516721A 申请号:JP2010548677 申请日:2009-02-18 公开日:2011-05-26 发明作者:ジャヤラマン,シュリスデルサン 申请人:コーニング インコーポレイテッド; IPC主号:C25B1-00
专利说明:
[0001] 本出願は、米国特許出願第12/038847号(2008年2月28日出願)および米国特許出願第12/363162号(2009年1月30日出願)の優先権の利益を主張するものである。] 技術分野 [0002] 本発明の実施態様は、ナノ構造物を作製する方法に関し、より詳しくはナノ構造物を作製する電気化学的方法に関する。] 背景技術 [0003] 金属酸化物、金属、混合金属、金属合金、金属合金酸化物、および金属水酸化物は、一つには、それらの系がいくつかの実用的および産業的用途を有しているために、検討されてきた材料系である。金属酸化物、たとえば、酸化チタン(IV)(チタニア)は、塗料、化粧品、触媒、および生物学的移植片のような、広範囲の用途において使用されている。] [0004] ナノ材料は、バルク材料においては観察されないユニークな性質を有しており、たとえば、粒子の光学的、機械的、生化学的および触媒的な性質は、それらの粒子のサイズと密接に関連している。ナノ材料は、表面積対容積の比率が極めて高いことに加えて、量子力学的効果を示し、バルク材料を使用したのでは不可能であるような用途も可能とすることができる。ナノテクノロジーに関わる挑戦課題の一つは、経済的に実行可能なプロセスでナノ材料を生産することである。結果としては、実験室的なスケールでは、広範囲のナノテクノロジーをベースとする用途が証明されてはいるものの、ナノテクノロジーをベースとする用途で商業化されたものは、極めて僅かである。] [0005] たとえばチタニアは、ナノテクノロジーをベースとする用途が実験室スケールでは証明されており、そのナノ材料が広範囲な実用的な用途において使用される可能性がある材料系である。チタニアナノ材料は、たとえば光電池用途、たとえば色素増感太陽電池、金属−半導体接合ショットキーダイオード太陽電池、およびドープした−TiO2ナノ材料をベースとする太陽電池などにおいて使用することができる。チタニアナノ材料は、光触媒作用、各種の有機汚染物質、たとえばローダミンB、クロロホルム、アシッドオレンジII、フェノール、サリチル酸、およびクロロフェノールなどの光分解において使用することができる。チタニアナノ材料はさらに、水素化反応たとえばプロピン(CH3CCH)の水素化、光触媒的水分解などにおいて有用である。さらに、チタニアナノ粒子は、エレクトロクロミックデバイスたとえばエレクトロクロミックウィンドウおよびディスプレイにおいて、水素貯蔵において、センサー用途たとえば、湿度センサーおよび水素、酸素、一酸化炭素、メタノールのようなガスのセンサーならびにエタノールセンサーにおいて、使用することができる。チタニアナノ材料は、挿入電極としてリチウム電池においても使用することができる。] [0006] チタニアナノ構造物のようなナノ材料を合成するためには従来からいくつかの方法が存在し、そのような方法としては、たとえば、ゾル−ゲル法、ミセル法および逆ミセル法、ゾル法、水熱法、ソルボサーマル法、直接酸化法、化学蒸着法、物理蒸着法、電着法、音響化学法、マイクロ波法、有機テンプレート合成法、エーロゲル法、ならびにたとえばプロトニックチタン酸塩からの剥離層合成によるTiO2ナノシート法などが挙げられる。] [0007] 従来からのゾル−ゲル法においては、コロイド状懸濁液またはゾルが、前駆体、典型的には無機金属塩または金属−有機化合物、たとえば、金属アルコキシドから、加水分解反応および重合反応によって形成される。溶媒を除去し、完全に重合させると、ゾル−ゲル相への遷移状態となり、次いでさらなる乾燥と加熱処理を行うことによってそれを高密度のセラミックへと転換させる。ゾル−ゲル法を使用した典型的な酸化チタンナノ構造物の合成には、チタンアルコキシド(たとえば、チタンテトライソプロポキシド)前駆体を、アルコール性溶媒中2℃で、水酸化テトラメチルアンモニウムのような塩基に添加することが含まれる。その後で、50℃〜60℃で13日間、または90℃〜100℃で6時間の加熱を行い、最後にオートクレーブまたは高圧反応器中175℃〜200℃で加熱することを含む二次処理にかける。] [0008] 従来からのゾル−ゲル法では、たとえば高エネルギーが要求される極めて低い温度から高温高圧までのような極端なプロセス条件を採用していて、資本コストの高い高圧反応器を使用し、かつ、たとえばイソプロポキシドのような取扱いコストの高い化学物質を使用している。] [0009] 従来からの水熱法においては、水熱合成は、テフロン(登録商標)ライニングをしたオートクレーブまたは高圧反応器中で、調節した温度および圧力下に実施し、水性溶液の中で反応を起こさせる。] [0010] この方法の変法がソルボサーマル法であって、その場合には、水性環境に代えて有機溶媒を使用する。酸化チタンナノワイヤーの典型的な合成法には、塩化チタンを酸または無機塩とオートクレーブ中50℃〜150℃で12時間反応させることが含まれる。その後で、ナノ材料の粉体を脱イオン水およびエタノールで洗浄し、60℃で数時間かけて乾燥させる。] [0011] チタニアナノ粒子を作製するためのその他の従来からの水熱法のいくつかは、チタンブトキシド(イソプロパノール中)を水と(水:Ti比=150:1)、70℃で1時間かけて反応させる水熱反応と、それに続けて、濾過および240℃で2時間の加熱処理を行い、最後に脱イオン水および/またはエタノールで洗浄し、60℃で乾燥させる方法;酸性のエタノール水溶液中において240℃で4時間かけてチタンアルコキシド前駆体を水熱反応させ、それに続けて洗浄および乾燥させる方法;ならびに、TiO2粉体を10モル〜15モルの水酸化ナトリウムと150℃〜200℃で24時間〜72時間かけて水熱処理し、それに続けて洗浄および乾燥させてTiO2ナノワイヤーを作製する方法などである。] [0012] 従来からの水熱法は、ゾル−ゲル法と同様の欠点を有していて、たとえば、オートクレーブが高コストであり、取扱いに注意を要する化学物質を使用し、さらに、時間がかかり、高コストの後処理工程が必要である。] [0013] 従来からの電着法においては、チタニアナノワイヤーを、テンプレートとしての陽極アルミナ膜(AAM)を使用して析出させる。その合成法は、塩化チタン溶液(pH=2)中のパルス電着法で実施される。次いでその基材を500℃で4時間加熱してから、AAMテンプレートを除去する。この方法のための前提条件は、穏やかな除去プロセスを使用しても、残分をまったく残すことなく除去することが可能なテンプレートが利用できるということである。その条件が満たされないと、通常の電着では大きなサイズの粒子が生成する。さらに、工業的なプロセスにおいて、塩化チタンのような腐食性の電解液を取り扱うことは、極めて困難なこととなりうる。] [0014] 従来からの直接酸化法における、チタニアナノチューブの合成には、0.5%フッ化水素(HF)溶液中で2枚のチタンプレートの間に、10ボルト〜20ボルトの電圧を10分間〜30分間印加することが含まれる。HFを使用するということが、工業的製造方法としてはこのプロセスを魅力のないものとしている。さらに、得られるナノ構造物の形状がナノチューブに限定される。] [0015] チタニアナノ構造物を作製するための従来からの方法は、エネルギー多量消費型で、高価な資本設備たとえば高圧反応器を使用し、たとえば粉体のクリーニング、洗浄および乾燥など長時間を要するプロセスを含んでおり、過酷な化学物質たとえば、アルコキシド、塩化チタン、およびHFなどを使用する。] 発明が解決しようとする課題 [0016] 経済的に実行可能な様式でナノ構造物を大量に作製する方法があれば有利であろう。] 課題を解決するための手段 [0017] 本明細書に記載のような、ナノ構造物を作製する方法は、ナノ構造物、たとえばチタニアナノ構造物を作製するための従来からの方法の上述のような欠点の一つまたは複数に対処するものであって、資本コストおよび/または生産コストを削減しながらも組成およびサイズの調節性を向上させるといった、利点の一つまたは複数を与え、そのナノ構造物を基材の上に直接成長させることが可能であるために、そのナノ構造物が本質的に高い導電率を有している。本質的に高い導電率は、光電池および光触媒的用途においては特に有用であり、改良された構成を有する材料および系を得ることが可能である。] [0018] 一つの実施態様は、ナノ構造物を作製する方法である。その方法には、水酸化物を含む電解液の中に配された陽極および陰極を含む電解槽を備える工程であって、その陽極または陰極がその電解液に暴露された表面を含むものである工程;およびその電解液に暴露された陽極または陰極の表面上にそのナノ構造物を得るに十分な時間、その電解槽に電位を印加する工程;が含まれる。] [0019] また別な実施態様は、チタニアナノ構造物を作製する方法である。その方法には、電解液の中に配された陽極および陰極を含む電解槽を備える工程であって、その陽極または陰極がその電解液に暴露されたチタン表面を含むものである工程;およびその電解液に暴露された陽極または陰極のチタン表面上にそのチタニアナノ構造物を得るに十分な時間、その電解槽に電位を印加する工程;が含まれる。] [0020] 本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明において記述されるであろうが、部分的にはその説明から当業者には容易に明らかであろうし、あるいは、本明細書の書面および特許請求項、さらには添付の図面の記載に従って本発明を実施することにより認識されるであろう。] [0021] ここまでの一般的な説明および以後における詳細な説明のいずれもが、単に本発明を例示しているだけのものであり、本発明の特質および特徴を請求項に記載の通りに理解するための概要または骨子を提供することを目的としていることは理解されたい。] [0022] 添付の図面は、本発明のさらなる理解を与えるために備えられたものであって、本明細書に組み入れられ、その一部を構成している。それらの図面は、本発明の1種または複数の実施態様を説明するものであって、本明細書の記載と合わせて、本発明の原理および展開を説明するのに役立つものである。] [0023] 本発明は、以下の詳細な説明のみか、あるいは添付の図面と合わせることにより、理解することが可能である。] 図面の簡単な説明 [0024] 一つの実施態様に従った方法において使用される電解槽の図である。 Ti基材のサイクリックボルタンメトリーを示す図である。 Ti基材のサイクリックボルタンメトリーを示す図である。 一つの実施態様に従って作製されたチタニアナノ構造物のSEM顕微鏡写真である。 一つの実施態様に従って作製されたチタニアナノ構造物のSEM顕微鏡写真である。 一つの実施態様に従って作製されたチタニアナノ構造物のSEM顕微鏡写真である。 一つの実施態様に従って作製されたチタニアナノ構造物のSEM顕微鏡写真である。 Ti電極のSEM顕微鏡写真である。 Ti電極のSEM顕微鏡写真である。 Ti電極のSEM顕微鏡写真である。 Ti電極のSEM顕微鏡写真である。 一つの実施態様に従って作製されたチタニアナノ構造物のSEM顕微鏡写真である。 一つの実施態様に従って作製されたチタニアナノ構造物のSEM顕微鏡写真である。 一つの実施態様に従って作製されたチタニアナノ構造物のSEM顕微鏡写真である。 一つの実施態様に従って作製されたチタニアナノ構造物のSEM顕微鏡写真である。 図5aに示した実施態様の断面のSEM顕微鏡写真である。 図5aに示した実施態様の断面のSEM顕微鏡写真である。 図6aに示した実施態様の倍率を上げていった一連のSEM顕微鏡写真である。 図6aに示した実施態様の倍率を上げていった一連のSEM顕微鏡写真である。 図6aに示した実施態様の倍率を上げていった一連のSEM顕微鏡写真である。 図6aに示した実施態様の倍率を上げていった一連のSEM顕微鏡写真である。] 図5a 図6a [0025] ここで、本発明の各種の実施態様を詳しく参照していくが、それらの例は、添付の図面に示されている。可能な限りにおいて、各図面を通して同一または類似の部品を参照するには、同じ参照番号を使用する。] [0026] 一つの実施態様は、ナノ構造物を作製する方法である。図1に見られるように、その方法には、水酸化物を含む電解液14の中に配された陽極10および陰極12を含む電解槽100を備える工程が含まれるが、その陽極または陰極には電解液に暴露された表面17が含まれる工程;ならびにその電解液に暴露された陽極または陰極の表面上にナノ構造物を得るに十分な時間、その電解槽に電位を印加する工程;が含まれる。] 図1 [0027] また別な実施態様においては、図1に見られるように、その陽極および陰極はそれぞれ、電解液に暴露された表面16を含む。また別な実施態様においては、その陽極および陰極はそれぞれ、電解液に暴露された少なくとも二つの表面を含む。そのナノ構造物は、たとえば、電解液に暴露された陽極の表面の上、電解液に暴露された陰極の表面の上、または電解液に暴露された陽極と陰極両方の表面の上、において得ることができる。] 図1 [0028] したがって、陽極または陰極の表面(「a surface」または「the surface」)と呼ばれるものには、いずれかが電解液に暴露されるか、またはその上に得られたナノ構造物を有している場合には、陽極もしくは陰極の、または陽極および陰極の両方の一つまたは複数の表面が含まれる。] [0029] 一つの実施態様においては、電解液に暴露された陽極または陰極の表面には、金属酸化物、混合金属酸化物、金属、混合金属、金属合金、金属合金酸化物、またはそれらの組合せが含まれる。] [0030] 一つの実施態様においては、そのナノ構造物には、金属酸化物、混合金属酸化物、金属、混合金属、金属合金、金属合金酸化物、金属水酸化物、またはそれらの組合せが含まれる。たとえば、そのナノ構造物が金属酸化物を含む場合には、その金属酸化物には、たとえば、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化亜鉛、酸化コバルト、またはいくつかのその他の金属酸化物を含むことができる。たとえば、そのナノ構造物が混合金属または混合金属酸化物を含む場合には、そのナノ構造物には、2種以上の金属または金属酸化物の混合物を含むことができる。] [0031] たとえば、電解液に暴露された表面が、金属、混合金属、および/または金属合金を含んでおり、次いでその単一または複数の金属が酸化物または水酸化物に転換されたりあるいは金属のままで留まっていたりする場合には、電気化学的加工の後で、数種のナノ構造物の組合せを得ることもできる。たとえば、金属の全部が、または金属の内の1種または複数が、酸化物もしくは水酸化物またはそれらの各種の組合せに転換されることもあるであろうし、いずれの金属もまったく転換されないということもあるであろう。(1種または複数の)金属の酸化物または水酸化物への転換は、出発物質の特異性に依存する、たとえば、電解液に暴露された場合のその物質の電気化学的挙動に依存する可能性がある。] [0032] たとえば電解液に暴露された表面が、金属酸化物、混合金属酸化物、または金属合金酸化物を含むような場合には、電気化学的加工の後に、ナノ構造物を数種組み合わせたものが得られる可能性がある。金属酸化物の金属または水酸化物への転換は、出発物質の特異性に依存する、たとえば、電解液に暴露された場合のその物質の電気化学的挙動に依存する可能性がある。本明細書に記載された方法に従って電気化学的に加工した金属酸化物の場合、その金属酸化物は、いくつかの実施態様においては、酸化物のままに留まることができるが、その化学量論に変化がおきるかもしれない。たとえば、酸化コバルトの場合で、表面にCo3O4が含まれていると、電気化学的加工の後では、そのナノ構造物の組成が、Co3O4のままに留まっていることもあり得るし、CoOに転換されていることもありうるし、あるいはCoに転換されていることもありうるし、あるいはそれらが組み合わさっていることもありうる。たとえば、酸化コバルトの場合で、表面にCoOが含まれていると、電気化学的加工の後では、そのナノ構造物の組成が、CoOのままに留まっていることもあり得るし、Co3O4に転換されていることもありうるし、あるいはCoに転換されていることもありうるし、あるいはそれらが組み合わさっていることもありうる。] [0033] 一つの実施態様においては、その電解液には1種または複数の添加物をさらに含む。そのような添加物は、一つの実施態様においては、以下のものから選択される:ホウ酸、リン酸、炭酸、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、界面活性剤、およびそれらの組合せ。界面活性剤は、イオン性、ノニオン性、生物性、またはそれらの組合せとすることができる。] [0034] イオン性界面活性剤の例としては以下のものが挙げられる:(1)アニオン性(スルフェート、スルホネートまたはカルボキシレートアニオンをベースとするもの)、たとえば、ペルフルオロオクタノエート(PFOAまたはPFO)、ペルフルオロオクタンスルホネート(PFOS)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、アンモニウムラウリルスルフェート、およびその他のアルキルスルフェート塩、ナトリウムラウレススルフェート、別名ナトリウムラウリルエーテルスルフェート(SLES)、アルキルベンゼンスルホネート、セッケン、および脂肪酸塩;(2)カチオン性(四級アンモニウムカチオンをベースとするもの)、たとえば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)(別名ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)、およびその他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、ポリエトキシル化タロウアミン(POEA)、ベンザルコニウムクロリド(BAC)、および塩化ベンゼトニウム(BZT);(3)両性イオン性(両性)、たとえば、ドデシルベタイン、コカミドプロピルベタイン、およびココアンフォグリシネート。] [0035] ノニオン性界面活性剤の例としては以下のものが挙げられる:アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルフェノールポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)とのコポリマー(市販品で、ポロキサマー(Poloxamer)またはポロキサミン(Poloxamine)と呼ばれているもの)、アルキルポリグルコシド(オクチルグルコシド、デシルマルトシドを含む)、脂肪族アルコール(セチルアルコール、オレイルアルコールを含む)、コカミドMEA、コカミドDEA、およびポリソルベート(Tween20、Tween80、ドデシルジメチルアミンオキシドを含む)。] [0036] 生物性界面活性剤は、ミセラー形成性界面活性剤、または溶液の中でミセルを形成する界面活性剤たとえば、DNA、ベシクル、およびそれらの組合せである。] [0037] 電解液の中に1種または複数の界面活性剤を取り入れることで、そのナノ構造物に秩序を与えて、たとえば自己集合性とすることができる。] [0038] 一つの実施態様においては、そのナノ構造物には、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、ホウ化物、リン化物、炭化物、インターカーレートされたアルカリ金属、インターカーレートされたアルカリ土類金属、インターカーレートされた水素、硫化物、窒化物、またはそれらの組合せをさらに含む。ナノ構造物の組成は、その電解液の中に組み入れる1種または複数の添加物の選択に依存させることができる。たとえば、チタニアナノ構造物では、電気化学的加工の前にその電解液の中に硫酸ナトリウムまたは硫酸カリウムを添加することによってそのナノ構造マトリックスの中にナトリウムまたはカリウムをさらに含むようにさせることができるし、カドミウムナノ構造物では、電気化学的加工の前にその電解液の中に、亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、またはそれらの組合せを添加することによって、硫化カドミウムをさらに含むようにさせることができる。] [0039] 電源18、たとえば直流(DC)電源を用いて電位を印加することが可能であるが、その電源は、一定電圧またはバイポテンシオスタットを供給することが可能、たとえばサイクリック電圧を供給することが可能である。電位はサイクリック電圧に限定されるものではなく、たとえば、その方法に応じて、各種の電位プログラムを使用することができる。三角波、パルス波、正弦波、階段状電位、あるいは鋸刃波などが、電位プログラムの例である。その他の適用可能な電位プログラム、たとえば当業者には公知のその他の電位プログラムを使用してもよい。一つの実施態様においては、その電位が0.0ボルトよりも高い。また別な実施態様においては、その電位が0.5ボルトまたはそれ以上である。また別な実施態様においては、その電位が5ボルトまたはそれ以下、たとえば0.6ボルト〜5.0ボルトの範囲である。一つの実施態様においては、1分またはそれ以上にわたって電位を連続的に印加する。また別な実施態様においては、24時間またはそれ以下で、電位を印加する。いくつかの実施態様においては、30分間〜24時間、たとえば4時間〜18時間にわたって電位を連続的に印加する。] [0040] 一つの実施態様においては、その電解液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはそれらの組合せを含む溶液である。いくつかの実施態様においては、その溶液を、1モル〜10モルの濃度、たとえば3モル〜8モル、たとえば5モルの濃度とすることができる。] [0041] 一つの実施態様においては、その陽極および陰極が独立して、均質な金属、金属層、金属フォイル、金属合金、金属多重層、混合金属層、混合金属多重層、およびそれらの組合せから選択される材料を含んでいる。その(1層または複数の)層は、いくつかの実施態様においては、厚膜、薄膜、メッシュ、(1種または複数の)金属が、条片、離散した領域、単一または複数のスポット、またはそれらの組合せの形で存在しているパターン化された層であってよい。混合金属層の一例は、共析出させた合金である。] [0042] 一つの実施態様においては、そのパターンに同一の材料が含まれる。また別な実施態様においては、そのパターンに各種複数の異種材料が含まれていて、たとえば、金属の条片が混合金属のスポットに隣り合い、それがさらに金属合金の長方形に隣り合っている。その条片、スポットおよび長方形は相互に隣接していてもよいし、あるいは相互に離れて位置していてもよい。] [0043] また別な実施態様においては、同一の材料を相互の上に重ね合わせることもできる。また別な実施態様においては、異なった材料を相互の上に、たとえば、1種の金属を合金の上に、混合金属の上に重ね合わせるなど、いくつかの組合せが考えられる。] [0044] その金属膜は、たとえばTi金属の薄膜または厚膜とすることができる。その薄膜は、たとえば、厚み数ナノメートルから厚み数ミクロンまでとすることができる。その厚膜は、たとえば、厚み数十ミクロンから厚み数百ミクロンまでとすることができる。Ti表面が導電性であることによって、固液界面における電子移動、および基材のTi部分への電気接続を容易とすることができる。その基材は平坦な表面を含むこともできるし、あるいは平坦ではない表面を含むこともできる。その基材は、フレキシブルな基材であってもよいし、あるいは変形可能な表面を有する基材であってもよい。] [0045] 一つの実施態様においては、その材料が、導電性支持体の上、非導電性支持体の上、またはそれらを組み合わせたものの上に析出される。] [0046] 一つの実施態様においては、その導電性支持体には、金属、金属合金、ニッケル、ステンレス鋼、インジウムスズ酸化物(ITO)、銅、およびそれらの組合せから選択される材料が含まれる。] [0047] 非導電性支持体には、一つの実施態様においては、ポリマー、プラスチック、ガラス、およびそれらの組合せから選択される材料が含まれる。] [0048] たとえば、一つの実施態様においては、その陽極および陰極には、チタン金属、チタンフォイル、導電性支持体の上に析出させたチタン膜、非導電性支持体の上に析出させたチタン膜、およびそれらの組合せを含むことができる。] [0049] いくつかの実施態様においては、その導電性支持体には、ITO、銅、およびそれらの組合せから選択される材料が含まれる。いくつかの実施態様においては、その導電性支持体が、各種の導電性金属基材である。いくつかの実施態様においては、非導電性支持体には、ポリマー、プラスチック、ガラス、およびそれらの組合せから選択される材料が含まれる。] [0050] その方法には、電解液を接触させる前に基材をクリーニングすることをさらに含むことができる。] [0051] 一つの実施態様においては、その方法を環境条件、たとえば室温および大気圧で使用することができ、また低電圧および電流、従って低エネルギーで使用することができる。また別な実施態様においては、その方法には、電解液を15℃〜80℃、たとえば30℃〜80℃、たとえば30℃〜60℃の温度に加熱することをさらに含む。電解液の加熱は、当該技術分野で公知の各種の加熱方法たとえば、電解槽の下にホットプレートを置くことによって実現することができる。その温度は、所望するナノ構造物および使用する材料に応じて調節することができる。] [0052] 一つの実施態様においては、その方法に、電解液を撹拌することをさらに含む。電解液を撹拌するためには、当該技術分野で公知の各種の撹拌方法を使用することができ、たとえば、電解槽の下にスターラーを置き、電解液の中にマグネチックスターラーバーを入れてもよい。たとえば、機械的な撹拌や超音波撹拌を使用することもできる。] [0053] 一つの実施態様においては、その方法には、ナノ構造物を得た後にその陽極および陰極をクリーニングすることがさらに含まれる。そのクリーニングには、いくつかの実施態様においては、酸洗浄が含まれる。その酸は、塩酸、硫酸、硝酸およびそれらの組合せから選択することができる。] [0054] また別な実施態様は、チタニアナノ構造物を作製する方法である。その方法には、電解液の中に配された陽極および陰極を含む電解槽を備える工程であって、その陽極または陰極がその電解液に暴露されたチタン表面を含む工程;ならびにその電解液に暴露された陽極または陰極のチタン表面上にそのチタニアナノ構造物を得るに十分な時間、その電解槽に電位を印加する工程;が含まれる。また別な実施態様においては、その陽極および陰極のそれぞれに、電解液に暴露されたチタン表面を含む。] [0055] アルファ・アエサル(AlfaAesar)から入手可能な、焼き鈍しをした99.5%チタンの基材を切断し、アセトン、イソプロパノール、水の1:1:1混合物の中で15分間超音波処理によりクリーニングした。次いで、脱イオン(DI)水の中でそのチタン基材をリンスし、脱イオン水の中で15分間さらなる超音波処理にかけた。窒素気流下で、そのチタン基材を乾燥させた。] [0056] 電解液は、脱イオン水の中にACS認証の水酸化ナトリウムおよびACS認証の水酸化カリウムを用いて調製したが、いずれもアルファ・アエサル(AlfaAesar)から入手可能である。] [0057] 電解槽、たとえば異なった大きさ(内寸1.5”×1”×1”および3”×1.5”×3.5”)の電気化学的電池を、「テフロン」を用いて作製した。「テフロン」は、エッチングおよび/または腐食の影響を受けやすいガラスまた金属容器とは対照的に、塩基性の環境において安定であるために、「テフロン」を選択した。塩基性のpHに抵抗性のあるその他の材料も、電気化学的電池を構築するのには使用することができる。] [0058] ペンシルバニア州グローブシティ(GroveCity,PA)のパイン・インストラメント・カンパニー(PINE Instrument Company)から入手可能なバイポテンシオスタットのモデルAFRDE5を使用して、サイクリックボルタンメトリー法を実施した。アジレント(Agilent)から入手可能なDC電源のモデルE36319を使用して、定電圧法を実施した。実施例においては、陽極としておよび陰極としていずれの場合にも、同様のサイズのTi基材を使用した。] [0059] 図2aおよび図2bに、1モル(M)のNaOHおよび1MのKOH溶液中におけるTi基材のサイクリックボルタンメトリーを示す。図2aからわかるように、陽極サイクル(ポジティブスイープ)の際には、電位が約0.6ボルト(V)までは(ゼロ電流で示されているように)表面反応が存在しない。0.6Vを超える電位では、電流が増加し、表面上での酸化反応が開始されたことを示している。表面電位を高くしていくにつれて、1.6Vのところにピークが観察されるが、これは、拡散によって制限される電気化学的反応であることを示している。] 図2a 図2b [0060] その反応が、電極表面へ向かってのヒドロキシルイオンの物質移動によって制限を受ける可能性がある表面酸化プロセスであるという仮説をたてることができる。2.3Vの電位のところで、電流がさらに正の値の方向に増大するが、このことは、さらなる一つまたは複数の電子移動反応が開始されてことを示している。2.3Vを超えたところでの電流対電位の曲線の軌跡から、この第二の電子移動反応が動力学的に調節された酸化反応であって、それが(少なくとも1Mを超える濃度では)溶液のヒドロキシルイオンの濃度の影響を受けないという仮説をたてることができる。サイクリックボルタンメトリーは、予測実験のためのガイドとして使用することができる、すなわち、印加する電位を選択して、陽極および/または陰極の表面へのその反応に特有の変化に影響を与えることができる。] [0061] 図2bに、1MのKOH中におけるTi基材のサイクリックボルタンメトリーを示す。KOH中におけるTiの電気化学的挙動と、NaOH電解液中におけるTiの電気化学的挙動とは、その二つの溶液のpHが同一であっても、異なっている。基材のTi表面は、0.8V未満の電位では影響を受けない。電位が0.8Vを超えると、正の電流による単一のピークによって示されるように、拡散により調節された酸化反応が電位5Vまで続く。NaOH系からの場合と同様に、KOH電解液中でのTiのサイクリックボルタンメトリーは、表面反応そして結果としては表面構造および/または組成物を調節するための予測実験のためのガイドとして使用することができる。] 図2b [0062] 予めクリーニングしておいたチタン基材(陽極および陰極)を、「テフロン」セルの対向する面に対して垂直に位置させた。次いで、そのセルに電解液(NaOHまたはKOHまたはその両方を組み合わせたもの)を充満させた。小さなセル(1.5”×1”×1”)の中で実施する実施例では、15mLの電解液容積を使用し、大きいセル(3”×1.5”×3.5”)における実施例では、150mLの電解液を使用した。次いで、基材をDC電源に接続し、今や電極となった、2枚の基材の間に予め決められた電圧を印加した。電圧は、先に述べたサイクリックボルタンメトリーの結果を規準に選択した。各種の実験条件を系統的に変化させて、いくつかの実施例を実施した。結果については、以下において論ずる。] [0063] チタン電極(陽極および陰極)を、NaOHおよびKOH溶液中で、電気化学的制御たとえば定電位制御にかけた。1M、5Mおよび10Mの溶液濃度について試験したところ、5Mの溶液が所望のチタニアナノ構造物を与えることが見出された。1Mの溶液中で調製した電極の上には、長時間をかけたとしても、ナノ構造物がまったく、またはほとんど観察されなかった。10Mの溶液においては、電気化学的制御の後に表面の粗さは観察されたものの、特徴的なサイズは、数百マイクロメートルであり、ナノメートルサイズの構造の証拠はほとんど得られなかった。] [0064] 上述の結果に基づくと、電気化学的にTiO2ナノ構造物を形成させることが可能な電解液組成の最適な範囲が存在する。本明細書においてはこれ以降、実施例を、NaOHまたはKOHまたはそれらの組合せの5Mの溶液に合わせる。] [0065] それぞれの電解液にそれぞれの時間、電位を印加することなくTi基材を浸漬させることによって、それぞれの電気化学的実施例に対応する対照を調製した。電極はさらに、時間(すなわち電気化学的制御下にある時間)の変化にかけた。30分間および2時間かけた電気化学的制御を与えた電極では、NaOH溶液およびKOH溶液のいずれにおいても、ナノ構造物は観察されなかった。それらの電極の走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真(図示せず)は、対照のそれと類似していた。] [0066] 図3a、図3b、図3c、および図3dは、5MのNaOH溶液中で6時間、5Vの定電位にかけたTi基材のSEM顕微鏡写真である。図3aおよび図3cは、陽極のそれに相当し(すなわち、その表面がプラスの電位を受けた)、図3bおよび図3dは、陰極のそれに相当する(すなわち、その表面がマイナスの電位を受けた)。] 図3a 図3b 図3c 図3d [0067] 図3aおよび図3bは、電気化学的加工に続けて、脱イオン水でリンスし、窒素気流下で乾燥させた後のTi基材のSEM顕微鏡写真である。そのチタニアナノ構造物には、短い、ナノメートルサイズ(幅)のTiO2ナノワイヤー20によって結合された、オープンな(多孔質の)ネットワーク18が含まれている。「粒状」の特色を与えているのは、いくぶんかは、脱イオン水を用いたリンスの際に洗い出されずに残ったNaOHが存在しているためである。このことは、X線回折(XRD)分析でナトリウムのピークが存在していることから確認された。] 図3a 図3b [0068] 図3cおよび図3dは、電気化学的加工に続けて、リンス、酸洗浄、乾燥をさせた後の基材のSEM顕微鏡写真である。酸洗浄工程では、基材を穏やかな酸たとえば、1MのHClの中に30分間浸漬させ、次いで脱イオン水の中でリンスした。図3aおよび図3bにおいて観察されたのに類似した明瞭なチタニアナノ構造物が、結晶粒状物なしに存在している。このことは、部分的には酸洗浄によってNaOHが完全に除去されたためである。そのチタニアナノ構造物には、短い、ナノメートルサイズ(幅)のTiO2ナノワイヤー20によって結合された、オープンな(多孔質の)ネットワーク18が含まれている。このことは、オープンな細孔を通して電解液が全部の表面に極めて良好な接触をする、極めて高い表面積の表面であることを表している。] 図3a 図3b 図3c 図3d [0069] これらのネットワークの中のナノワイヤーのサイズは、10nm〜40nmの間、平均して約30nmであった。これら高表面積構造となっているために、液体またはガスがその全表面積またはガスに接近しやすくなっており、そのことが、応用において有利な寄与をして、材料を最大限に利用できるようにしている(たとえば、光電池)。] [0070] これらのナノ構造物が作り出される正確な機構は今のところ明らかではないが、その合成プロセスの間に、電解液がその表面の最大のnm2に接近するという、溶解−再析出機構の仮説をたてることが可能である。ナノ構造物が金属基材の中へ成長するので、そのナノ構造物は、より高い電子接近性および導電性を有している。] [0071] 図4a、図4b、図4c、および図4dは、5MのKOH溶液中で6時間、5Vの定電位にかけたTi電極のSEM顕微鏡写真である。図4aおよび図4cは、陽極のそれに相当し、図4bおよび図4dは陰極のそれに相当する。] 図4a 図4b 図4c 図4d [0072] 図4aおよび図4bは、電気化学的加工に続けて、脱イオン水でリンスし、窒素気流下で乾燥させた後のTi基材のSEM顕微鏡写真である。] 図4a 図4b [0073] 図4cおよび図4dは、電気化学的加工に続けて、リンス、酸洗浄、乾燥をさせた後の基材のSEM顕微鏡写真である。酸洗浄工程では、基材を穏やかな酸たとえば、1MのHClの中に30分間浸漬させ、次いで脱イオン水の中でリンスした。これらの条件下では、最小限認識可能なナノ構造物もまったく形成されなかった。図4aは、その表面の上にいくぶんかの構造を有しているようにみえるが、図4cに見られるように、酸洗浄したあとではそれらは消失している。] 図4a 図4c 図4d [0074] 図5aおよび図5bは、5MのNaOH溶液の中で、16時間、5Vの定電位制御の下で加工したTi基材のSEM顕微鏡写真である。図5aは陽極に相当し、図5bは陰極に相当する。] 図5a 図5b [0075] 図5aに見られるように、その表面には、図3aに示した6時間電極に比較すると、より細かいサイズを有する結合チタニアナノワイヤー22を有する、ウェブ状のチタニアナノ構造物が示されている。そのチタニアナノワイヤーの平均サイズは10nm未満であり、数本のチタニアナノワイヤーが相互に束になって、高表面積ネットワークを形成している。その一方で、対極上のチタニアナノ構造物24は、それらが図3bに示した対応する6時間電極よりも閉じているために、崩れているように見えるが、その理由はおそらく、ある種の合体効果(coalescence effect)のためであろう。それにもかかわらず、これらの乱れた構造でも、依然としてサブ100nm領域に入っている。] 図3a 図3b 図5a [0076] 図6aおよび図6bは、5MのKOH溶液の中で、16時間、5Vの定電位制御の下で加工したTi基材のSEM顕微鏡写真である。図6aは陽極に相当し、図6bは陰極に相当する。] 図6a 図6b [0077] チタニアナノ構造物を示さない図4aおよび図4bに示した6時間電極に比較して、その陽極および陰極いずれもが、チタニアナノ構造物26のからみ合わせネットワーク、たとえばチタニアナノワイヤーを有している。それらのチタニアナノワイヤーは、高い表面積と、基材の奥深くまでもチタニアナノ構造物への良好な接近性とを有している。その陽極は、サブ10nmサイズのチタニアナノワイヤーの均質な分布を有しているのに対して、その陰極は、主として約30nmであるチタニアナノワイヤーを有している。チタニアナノ構造物が有利となる特徴は、その表面結合の量である。チタニアナノワイヤーは、どのチタニアナノワイヤーのストランドをとっても、それの出発点と終点を見分けることがほとんど不可能であるというところまで、相互に入り組んで、分かちがたく結合されている。] 図4a 図4b [0078] さらに、たとえば電解液組成、時間、電極の極性(陽極か陰極か)、電極電位、またはそれらの組合せといった加工条件を調節することによって、そのチタニアナノ構造物の表面構造を調節することも可能である。] [0079] 図7aおよび図7bは、図5aに示した5MのNaOHの中で合成した16時間電極(陽極)の断面のSEM顕微鏡写真である。チタンとチタニアとの界面28が、基材とナノ構造物との間の良好な結合性を見せている。チタン基材32を超えたチタニアナノ構造物30の層が極めて均質である。ナノ構造物の層の平均した厚みは約500nmである。] 図5a 図7a 図7b [0080] その厚みは、たとえば電気化学的制御の時間を最適な範囲の内で調節することによって調節することができるが、その時間が短すぎたり(6時間未満)あるいは長すぎたりすると、所望のナノ構造物が得られないであろう。たとえば、72時間の実験(KOHまたはNaOH中での電位調節下のTi)では、ナノ構造物の崩壊が起きたが、この原因は、Tiの表面が連続的な溶解−再析出にひっきりなしにさらされているために、ナノ構造物が機械的に崩壊してしまったからであろう。] [0081] 表1に、5MのNaOHおよび5MのKOHの溶液の中で16時間の電気化学的制御をして合成したTi電極について、XRD分析をした結果をまとめた。それらの電極は、熱処理をした後でXRD分析にかけた。その加熱処理では、10℃/分の速度で電極を500℃にまで加熱していき、500℃で1時間保持した。] [0082] いずれの電解液の場合でも、対照では酸化物をまったく生じず、金属状態を保持した表面を示していた。いずれの場合においても、陽極(作用電極)は、金属TiならびにTiO2のルチル相およびアナターゼ相の存在を示していた。その金属相は、Ti基材からのバックグラウンドである。陰極(対極)では、基材からのTi金属バックグラウンドに加えて、TiO2のルチル相のみの存在を示していた。] [0083] この特徴は、所望の(一つまたは複数の)相を有するTiO2ナノ構造物を選択的に合成するのに、都合よく利用できるであろう。加熱処理をした後でもそのナノ構造物は変化を受けずに残っていた。さらに、これらの電極をさらに加熱処理して所望の相を得ることも可能であろう。] [0084] 図8a、図8b、図8c、および図8dは、図6aに示したKOH溶液中で合成した16時間陽極を、倍率を上げながら(500×、2500×、10,000×、25,000×)撮影した、一連のSEM顕微鏡写真である。この電極を選択したのは単に説明のためだけであって、他の電極でも同様の挙動を示す。図8aから8dへと目を移していくと、そのチタニアナノ構造物が表面全体に均質に形成されていて、ナノ構造物が単なる離ればなれの島になってはいるわけではない。] 図6a 図8a 図8b 図8c 図8d [0085] これが電気化学的プロセスを使用したメリットであって、そこでは、全部の表面を均質に処理することが可能である。このことは、このプロセスの規模の拡大縮小性と生産性の面では重要な意味合いを有している。より大きい電気化学的電池に合わせた、より大きな基材が、各種のサイズ(数mm2から数m2まで)のTiO2ナノ構造物を生産するために使用することができる。] [0086] 一つの実施態様においては、その方法には、バッチプロセスでナノ構造物を作製することが含まれる。また別な実施態様においては、その方法には、連続プロセスでナノ構造物を作製することが含まれる。] [0087] たとえば、そのプロセスをバッチプロセスとすることが可能であって、その場合には、Tiまたはチタンコーティングした基材(たとえば、インジウムスズ酸化物(ITO)もしくは銅基材の上のTi膜、またはポリマー基材たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)上のTi膜)のシートを電解液(NaOHまたはKOH)の中に浸漬させ、電位を印加することによってナノ構造物を作り出すことができる。] [0088] 想定することが可能なまた別な実施態様は、連続プロセスであって、その場合には、二つのTiまたはTiコーティングした基材のロールを、NaOHまたはKOHを含むタンクの中に連続的にフィードすることができ、その間は電位を印加しておく。下流側のクリーニングおよび/またはリンス工程を一体化させて、TiO2ナノ構造化された表面のロールを製造することができる。そらに、その反応が、電解液と接触状態にある表面に限定されるので、優れたプロセス制御を実施することができる。いずれの実施態様においても、時間の関数としての電流をモニターすることによって、そのプロセスをモニターすることができる。] 実施例 [0089] 本発明の精神と範囲から逸脱することなく、各種の修正および変更を本発明に加えることが可能であることは、当業者にとっては自明のことであろう。したがって、本発明に対する修正および変更が、添付の特許請求項およびそれらの等価物の範囲の内にあるならば、本発明はそれらも包含しているものとする。]
权利要求:
請求項1 ナノ構造物を作製する方法であって、前記方法が、水酸化物を含む電解液の中に配された陽極および陰極を含む電解槽を備える工程であって、前記陽極または前記陰極が前記電解液に暴露された表面を含むものである工程;および前記電解液に暴露された前記陽極または前記陰極の表面の上にナノ構造物を得るに十分な時間、前記電解槽に電位を印加する工程;を含む方法。 請求項2 前記電解液に暴露された前記陽極または前記陰極の表面が、金属酸化物、混合金属酸化物、金属、混合金属、金属合金、金属合金酸化物、またはそれらの組合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項3 前記ナノ構造物が、金属酸化物、混合金属酸化物、金属、混合金属、金属合金、金属合金酸化物、金属水酸化物、またはそれらの組合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項4 前記水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 請求項5 チタニアナノ構造物を作製する方法であって、前記方法が、電解液の中に配された陽極および陰極を含む電解槽を備える工程であって、前記陽極または前記陰極が前記電解液に暴露されたチタン表面を含むものである工程;および前記電解液に暴露された前記陽極または前記陰極のチタン表面の上にチタニアナノ構造物を得るに十分な時間、前記電解槽に電位を印加する工程;を含む方法。
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